高速高効率シリコン・フォトダイオードを可能にする光子トラップ微細構造体

ビッグデータやクラウドコンピューティングが指数関数的に成長し続けており、より大量のデータトラフィックとより広い帯域幅を扱うために、データセンターで光通信リンクがますます利用されるようになっている。こうした光通信リンクでは、高速高効率光検出器が重要な役割を果たしている。コストの削減と性能の向上を進めるには、単一のシリコンチップに光学素子と信号処理用電子素子をモノリシックに集積化することが極めて重要である。今回我々は、マイクロスケールやナノスケールの細孔によって、データセンターの光通信に使用するシリコン・フォトダイオードにおける光トラッピングが可能になることを初めて実証し、こうした細孔を有するシリコン・フォトダイオードが30 psという超高速インパルス応答（半値全幅）と50％を超える高い効率を示すことを報告する。今回のフォトダイオードは、マイクロ構造やナノ構造の細孔を用いて厚さ2 μm未満の薄い真性層の吸収効率を1桁高めており、波長850 nmで毎秒20ギガビット以上のデータレート用に設計されている。さらなる最適化によって、効率を70％以上に向上できる。