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光学的な「シュレディンガーの猫」状態の振幅増大

Nature Photonics 11, 6 doi: 10.1038/nphoton.2017.57

巨視的に異なる量子状態の重ね合わせは、シュレディンガーの有名な思考実験で導入され、量子力学の奇妙さの典型であるとともにその有効性の限界を決める自然な道具である。シュレディンガーの猫(SC)の光学的な具体化(振幅が反対の2つのコヒーレント状態の重ね合わせ)は、連続変数量子情報処理の重要な要素でもある。しかし、既存の生成法では、成分であるコヒーレント状態の振幅が制限され、基礎的応用や実際的応用におけるSC状態の有用性が小さくなる。今回我々は、振幅が1.15の1対の負のスクイーズドSC状態を、成功確率約0.2で、振幅が1.85の単一の正のSC状態に変換している。このプロトコルの本質は、初期状態をビームスプリッターで干渉させ、次に、出力チャンネルの1つで伝令つき直交位相測定を行うことである。今回の手法は繰り返し実行できるため、原理的には任意に高い振幅を実現できる。

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