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コヒーレントなナノフォトニック回路による深層学習

Nature Photonics 11, 7 doi: 10.1038/nphoton.2017.93

人工ニューラルネットワークは、脳内での信号処理に着想を得た、コンピューターによるネットワークモデルである。こうしたモデルは、音声認識や画像認識を含む機械学習タスクの性能を劇的に改善した。しかし、現在の計算機ハードウエアは、ニューラルネットワークを実行するには効率が低い。その主な理由は、現在の計算機ハードウエアの多くはフォン・ノイマン型計算方式向けに設計されているためである。人工ニューラルネットワークの実装に特化し、計算速度と精度が改善された電子的アーキテクチャーの開発に向けて、かなりの努力がなされてきた。今回我々は、原理的に、従来の推論タスクにおいて最先端のエレクトロニクスを超える計算速度と電力効率を実現する可能性のある、全光ニューラルネットワークの新しいアーキテクチャーを提案する。我々は、シリコンフォトニック集積回路中の56個のプログラム可能なマッハ・ツェンダー干渉計のカスケードアレイを特徴とする、プログラム可能なナノフォトニックプロセッサーを使って、この概念の重要な部分を実験的に実証し、母音認識における有用性を示している。

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