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衛星間通信のための日中の長距離自由空間量子鍵配送

Nature Photonics 11, 8 doi: 10.1038/nphoton.2017.116

長距離自由空間量子通信実験は、以前は夜間にしか実行できなかった。日中は、バックグラウンドの明るい日光によって、長距離にわたる高いチャネル損失という条件下では量子通信が妨げられていた。今回我々は、1,550 nmの動作波長を選び、自由空間単一モードファイバー結合技術と超低雑音アップコンバージョン単一光子検出器を開発して、日光に起因する雑音を克服し、日中の53 kmの自由空間量子鍵配送を実証している。総チャネル損失は約48 dBで、衛星と地上の間や低地球軌道衛星間のチャネル損失である40 dBよりも大きい。従って、今回のシステムは、日中の衛星量子通信の実現可能性を実証している。さらに今回のシステムは、動作波長が光通信波長帯にあるため、地上のファイバーネットワークと自然に適合し、衛星コンステレーションに基づく地球規模の量子ネットワークへの重要な一歩になる。

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