Article

ヘテロ集積III–V/Si MOSキャパシターマッハツェンダー変調器

Nature Photonics 11, 8 doi: 10.1038/nphoton.2017.120

インターネット・トラフィックが増え続けているため、データセンターにおける伝送容量増大の要求が高まっている。データ通信ネットワークへの外部変調器の導入は、先端的な変調フォーマットとともに不可欠である。しかし、シリコンフォトニクス・マッハツェンダー(MZ)変調器はフットプリントが大きいため、今後の伝送容量増大に限りがある。我々は、この問題を克服するために、III I–V化合物半導体を導入している。その理由は、電子誘起屈折率変化が大きく、電子移動度が高く、キャリアプラズマ吸収が低いことが、Si MZ変調器の電圧–長さ積(VπL)、動作速度、挿入損失の間のトレードオフの克服に有効だからである。今回我々は、長さ250 μmのInGaAsP/Si金属酸化物半導体(MOS)キャパシター位相シフターを用いたMZ変調器を実証し、蓄積モードにおいて0.09 VcmのVπL、約1.0 dBの挿入損失、空乏モードにおいて約2.2 GHzのカットオフ周波数、信号プリエンファシスによる32 Gbit s–1変調を得ている。これらの結果は、低消費電力の大容量大規模フォトニック集積回路の作製に有望である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度