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高開口数軟質ガラス・マルチモードファイバーによる三次元ホログラフィック光操作

Nature Photonics 12, 1 doi: 10.1038/s41566-017-0053-8

ホログラフィック光ピンセット(HOT)は、バイオフォトニクスにおける多くの用途に大変有望であり、生体分子、分子モーター、細胞にかかる極めて小さい力の生成や測定を可能にする。現在、HOTに用いられる幾何形状はバルクの光学素子に依存しており、in vivoでの利用は組織の光学的不透明性によって制限されている。我々は、高開口数マルチモード光ファイバーを通して複数の三次元(3D)トラップを導入しているため、断面のサイズが単一細胞と同程度のチャネルを通して同様に汎用的な操作手段が可能になるHOTの代替法について報告する。今回の研究では、3D配列の微小物体のリアルタイム操作と、他の方法では到達不可能な空孔内部の操作が実証されている。我々は、100 mmを超えるファイバー長にわたってトラップを形成し、ナノメートルの分解能で配置できることを示している。今回の結果は、ホログラフィック操作技術の基礎や、生体組織などの複雑な環境の深部に導入されたシングルコアファイバー内視鏡による先端的な顕微鏡法など他の高開口数技術の基礎をもたらすものである。

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