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三次元ニオブ酸リチウム非線形フォトニック結晶の実験的実証
Nature Photonics 12, 10 doi: 10.1038/s41566-018-0240-2
非線形フォトニック結晶(NPC)には空間依存性の2次非線形係数があるため、擬似位相整合を通して非線形光学相互作用を効果的に制御できる。ニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶は、非線形光学特性が優れているため、NPC構造の作製に最もよく使われている物質の1つである。一次元や二次元のLiNbO3 NPCは、レーザー周波数変換、空間光変調、非線形光学撮像に幅広く利用されている。しかし、従来のポーリング法に限界があるため、三次元(3D)NPCの実験的実現は、非線形光学分野の最も大きな課題の1つとなっている。今回我々は、フェムト秒レーザーを使って、LiNbO3結晶の非線形係数を選択的に消去する3D LiNbO3 NPCの実験的実証を示す。その有効変換効率は典型的な擬似位相整合過程に匹敵する。こうした3D LiNbO3 NPCから、3D配置において非線形相互作用する波動を制御するその独特な能力に基づく非線形光学の将来研究の有望なプラットフォームが得られる。