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非相反的なバンド間ブリルアン変調

Nature Photonics 12, 10 doi: 10.1038/s41566-018-0254-9

非相反的な光伝搬は、フォトニック系の光クロストークと後方散乱を制御するのに極めて重要である。しかし、低損失の集積フォトニック回路における高忠実度の非相反性の実現は、まだ困難である。今回我々は、集積シリコンフォトニックプラットフォームにおいて、ある形の非局所的な音響光学的光散乱によって非相反的な単側波帯変調とモード変換が生じることを実験的に実証している。この系では、シリコン導波路における光力に駆動された進行波音響フォノンが、線形バンド間ブリルアン散乱を通して別の導波路の光を時空的に変調する。この過程によって、非相反性に対する狭帯域のオプトメカニクスに基づく方式が進行波の物理へ拡張され、125 GHzを超える動作帯域幅と、前方向と後方向に伝搬する光波の間で最大38 dBの非相反的なコントラストが可能になる。変調器の動作波長は、光駆動波長を変えることで、35 nmの範囲にわたって調整できる。こうした進行波の音響光学相互作用は、集積フォトニクス内に広帯域で低損失のアイソレーターやサーキュレーターを実現する有望な経路となる。

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