Article

量子ドットの設計に基づくタンデム発光型太陽光集光器

Nature Photonics 12, 2 doi: 10.1038/s41566-017-0070-7

発光型太陽光集光器(LSC)は、地上や宇宙に設置される太陽電池の大面積太陽光集光器となりうる。コロイド量子ドットは、発光効率が高く、発光スペクトルと吸収スペクトルの調節が容易なので、有望な新種のLSC蛍光体として浮上している。多接合型太陽電池と同様に入射太陽光のスペクトル分割を通して性能が向上する集光器である、積層型多層LSCの実現も、こうした量子ドットのスペクトル調節可能性によって促進される。今回我々は、最適な太陽光スペクトル分割にスペクトル調節したほぼ再吸収のない2種類の量子ドットを用いた、230 cm2を超える大面積タンデムLSCを実証している。この試作デバイスは、太陽光照射で6.4%という高い光量子効率と3.1%という太陽光–電力変換効率を示す。単層デバイスと比較したときのタンデム構造による効率増加率は、LSCサイズを大きくするにつれて急上昇し、窓サイズが2500 cm2を超える構造では100%以上に達し得る。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度