モード同期レーザーにおける散逸ソリトンの過渡ダイナミクスの実時間フルフィールド評価

散逸ソリトンは、非線形性、分散、周囲とのエネルギー交換の動的バランスに起因する、著しく局在した状態の物理系である。散逸ソリトンは、存在し得る最も普遍的な形態のソリトンであり、化学、生物学、物理学を含む多くの分野において、平衡から大きく離れた系で見られる。モード同期レーザーにおける散逸ソリトンの特性の研究に特に関心が集まっているが、実時間でソリトンの動的変化を追跡できないため実験が制限されている。今回我々は、離散フーリエ変換と時間レンズ測定を同時に用いて、安定化前の複雑な崩壊と衝突を伴う過渡的不安定領域を超短散逸ソリトンのダイナミクスが経る際の、スペクトル変化と時間変化を完全に評価している。ソリトンの振幅と位相の再構築と、対応する複素数値固有値スペクトルの計算によって、さらなる知見が得られた。今回の結果は、実時間測定によって光学系の超高速過渡ダイナミクスに関する新しい知見を得る方法を示すものである。