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X線自由電子レーザーパルスのアト秒時間・エネルギー構造
Nature Photonics 12, 4 doi: 10.1038/s41566-018-0107-6
今回我々は、ライナックコヒーレント光源で生成された超短X線自由電子レーザーパルスの時間・エネルギー情報を、ネオン1s光電子の角度ストリーキングによってアト秒分解能で測定している。X線パルスは、ネオンの内殻準位からイオン化連続状態へ電子を昇位し、そこで電子は円偏光赤外レーザーの電場にさらされる。これは、結果として生じた光電子のエネルギーと角度分布に特徴的な変調を生じさせる。我々はこうした変調から、自己増幅自発放射に基づく任意のX線パルスの、単一ショットアト秒強度構造とチャープを復元している。これらはこれまで、直接測定されていなかった。我々は、その瞬時周波数を含めて個々のアト秒パルスを特徴付け、明確な遅延とスペクトル特性で二重パルスを見いだしている。これによって、X線ポンプ/X線プローブアト秒自由電子レーザー科学への道が開かれる。