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時間ゲート多重光散乱の制御による散乱媒質中での光エネルギーの集束
Nature Photonics 12, 5 doi: 10.1038/s41566-018-0120-9
光エネルギーの効率的な送達は、散乱媒質の中に深く埋め込まれた対象物体の非侵襲的な画像化と刺激に不可欠である。しかし、入射波は、多重光散乱によってランダムに拡散し、対象物体に届くのはわずかである。今回我々は、波の拡散を和らげ、深く埋め込まれた対象に多重散乱波を集束する方法を提案する。我々はこれを実現するため、実験的に、特定の飛行時間の反射固有チャンネルへ光を入射させ、対象物体と相互作用した多重散乱波の強度を増強している。我々は、光学画像では深過ぎて見えない対象に対して、通常の波の拡散の場合と比べて光エネルギー送達が10倍以上増強されることを実証している。今回の結果は、画像化、検知、光刺激の有効深さを大きくするための基礎になる。