Article

混合結晶相を有するペロブスカイト型無機酸化物薄膜による光起電性能の向上

Nature Photonics 12, 5 doi: 10.1038/s41566-018-0137-0

強誘電性無機ペロブスカイトは、開放電圧の高い高安定光起電力セルの実現に向けて注目を集めている。しかし、デバイスの電力変換効率がこれまで低かった。今回我々は、BiMnO3とBiMn2O5の混合結晶相を有するBi–Mn–O複合材料薄膜を用いて、1 sun照射下で約4.20%の電力変換効率を実現したことを報告する。我々は、主として、光電流密度と光起電力が結晶粒内ではなく、主に粒界や界面の近傍で増大することを示す。また我々はデバイスの電気抵抗を変化させることによって、測定される膜の開放電圧と短絡光電流を調節でき、電圧パルスを外部から印加することによってこの電気抵抗が制御されることを実験的に実証している。酸化物複合材料の多機能性を利用することによって、太陽電池で高安定・高効率太陽エネルギー変換を実現する代替的手法が得られる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度