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窒化ケイ素ナノフォトニック導波路でのコヒーレント分散波生成による中赤外周波数コム

Nature Photonics 12, 6 doi: 10.1038/s41566-018-0144-1

中赤外光周波数コムは、一方では分子振動モードの吸収が大きく、もう一方ではコムに基づく高速、高感度、高精度の優れた分光様式を実行できるため、分子分光法向けに大きな関心を集めている。今回我々は、通信周波数帯(1.55 μm)の従来型の小型エルビウムファイバーフェムト秒レーザーから、官能基領域の大部分をカバーする2.5から4.0 μm(2500~4000 cm−1)領域の中赤外光周波数コムを直接生成する、単純だが効果的な方法を実証している。この波長変換は、これまでになく断面積が大きく、リソグラフィによって分散を調節した窒化ケイ素(Si3N4)導波路内のスーパーコンティニュウム過程における分散波生成に基づいている。この長波長分散波は中赤外周波数コムとして機能でき、そのコヒーレンスは光ヘテロダイン測定によって実証された。こうした方法は、中赤外周波数コム生成の代替手段とみなすことができる。さらに、この方法には、小型のデュアルコム分光計を実現する可能性がある。生成された周波数コムのコム間隔も非常に小さいため、気相分析に適している。

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