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カーボンナノチューブ微小共振器励起子ポラリトンにおける例外点を通した弱結合から超強結合への連続的遷移

Nature Photonics 12, 6 doi: 10.1038/s41566-018-0157-9

光子と励起子の非摂動的な結合によって、ハイブリッド粒子である励起子ポラリトンが生まれ、さまざまな微小共振器系で多様な多体現象を示している。しかし、光子・励起子結合の強さを定める真空ラビ分裂(VRS)は、通常は与えられた系の単一の定数である。今回我々は、整列した単一カイラリティカーボンナノチューブの薄膜の励起子が、偏光に依存した形で共振器光子と相互作用する独特な構造を開発した。この系は、ナノチューブ軸に平行な偏光に対して超強結合(VRSは最大329 meVで、遷移エネルギーに対する結合の強さの比で13.3%に相当する)を示し、その一方で垂直な偏光に対してVRSはない。VRSは、この両極端の間で偏光の回転によって連続的に調節でき、例外点(exceptional point)が交差と反交差を分けている。例外点の間の点は等エネルギー弧を形成し、そこで上方ポラリトンと下方ポラリトンが合体する。今回実証されたオンデマンドな超強結合によって、ポラリトンのトポロジー的性質を調べ、量子技術への応用を研究する方法が得られる。

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