Letter

準一次元結晶における巨大光学異方性

Nature Photonics 12, 7 doi: 10.1038/s41566-018-0189-1

光学異方性は、偏光子、波長板、位相整合素子などの線形光学部品や非線形光学部品の基本的な構成要素である。固体の均質材料において最強の光学異方性が見られるのは、カルサイトやルチルなどの結晶である。異方性光物質相互作用を増強する試みは、人工的な異方性マイクロ/ナノ構造体(構造性複屈折)に頼ることが多い。今回我々は、バリウムチタン硫化物(BaTiS3)の単結晶において合理的設計による巨大光学異方性を実証している。この材料は、中波長赤外から長波長赤外において最高で0.76というこれまでにない大きさの広帯域複屈折率を示すとともに、容易に得られる劈開面における2つの結晶軸方向の偏光に対して吸収端が1.6 μmと4.5 μmの大きな二色性の窓を示す。この異常に大きな異方性は、準一次元構造とともに、成分イオンの合理的選択によって異なる軸方向の分極率の差が最大化したことに起因する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度