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位相整合した極端紫外周波数コムの生成
Nature Photonics 12, 7 doi: 10.1038/s41566-018-0199-z
レーザー駆動の高次高調波生成によって、空間的や時間的にコヒーレントな広帯域極端紫外(XUV)光の卓上型光源が得られる。こうした光源は、frep ≾ 100 kHzという低い繰り返し率、で動作することが多く、このような繰り返し率では位相整合した高次高調波を容易に生成できる。しかし、多くの応用が、frep > 10 MHzという高い繰り返し率で得られる、計数統計や周波数コム精度の改善を必要としている。残念ながら、そうした高いfrepでは、生成体積中に蓄積した定常状態プラズマによって位相整合が妨げられ、XUVの平均出力は強く制限される。今回我々は、生成媒質として高温気体混合物を使って気体の並進速度を上げ、レーザー焦点における定常状態プラズマを減少させている。これによって、frep = 77 MHzでのフェムト秒増強共振器内部の位相整合したXUV光の放出が可能になり、単一高調波次数で約2 mWという記録的な出力を生成できるようになる。この出力のスケーリングは、基本的物理法則や基礎物理定数の精密な検証のための少数電子原子や少数電子イオンのXUV周波数コム分光を含む、要求が厳しい多くの応用への道を開く。