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条件に合わせたプラズマ密度構造から生成される波長可変相対論的単一サイクル赤外パルス
Nature Photonics 12, 8 doi: 10.1038/s41566-018-0190-8
赤外スペクトル領域の高強度超短コヒーレント放射源を利用できるようになったことから、高調波生成によるアト秒X線パルスの生成や「分子指紋」領域におけるポンププローブ実験が可能になり、相対論的赤外非線形プラズマ光学の領域が開かれつつある。こうした応用分野は、中波長から長波長赤外領域の数ミリジュールの単一サイクルパルスの恩恵を受けると思われる。今回我々は、条件に合わせたプラズマ密度構造を用いる光子周波数ダウンシフト方式に基づいて、1.7%の変換効率で5~14 μmの相対論的強度の波長可変単一サイクル赤外パルスを生成できる新しい方式について報告する。長波長赤外パルスのキャリアエンベロープ位相は、数%の範囲内で駆動レーザーの位相に同期される。こうした汎用的な波長可変赤外放射源は、高強度場物理における多くの最先端応用分野の要求を満たし、その進展を大きく促進する可能性がある。