Letter
スピン依存性の横方向光学力と左回りトルクの巨視的直接観察
Nature Photonics 12, 8 doi: 10.1038/s41566-018-0200-x
非自明な光物質相互作用に起因する効果の観測や制御は、常に、自然をより深く理解し、フォトニクス技術を進展させるきっかけとなってきた。しかし、大きな概念的進歩が見られたにもかかわらず、負の放射圧、横方向力、左回りトルクなど、日常生活でほとんど見られない異常な光機械的現象を明らかにする実験的提案は、これまでわずかしかなかった。今回我々は、構造複屈折を持つセンチメートルサイズの物体がスピンに依存して横方向に変位する様子を肉眼で確認したことを報告する。また、巨視的な左回りの回転運動についても報告する。今回明らかになった効果は、突き詰めるとスピン軌道光学相互作用に依存しており、提示した設計の結果、これまでの報告と比べて5桁大きい横方向光場によって駆動されている。今回の結果は、異方性不均質媒質のスピン軌道オプトメカニクスに注目することによって、構造化された光物質相互作用を科学的好奇心の的から光学操作ツールボックスの新しいツールへと進化させるものである。