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時間次元の撮影光学系
Nature Photonics 12, 9 doi: 10.1038/s41566-018-0234-0
超高速センサーと深度カメラは、複雑な形状や散乱を通した撮像や、視線を超える撮像を可能にする重要な手段である。しかし、撮像エレクトロニクスと撮像の応用が加速度的に進歩しているにもかかわらず、そうしたカメラの光学系は、従来の低速撮影カメラの光学系が受け継がれてきた。これは、超高速カメラとその応用を、従来の光学系の設計の制約に制限している。今回我々は、光学設計において時間を余分な次元として利用し、時間分解共振器を使って大きな空間を時間に折りたたむことによってそれを実証する。この結果、対象の情報を失うことなく、新たなカメラ能力が可能になる。1桁のレンズ鏡筒圧縮とともに、撮像光学系のさまざまな領域の光経路の時間折りたたみによる、超高速マルチズーム撮像と超高速マルチスペクトル撮像が実証された。従来の撮像光学系の時間折りたたみによって非常に多様な設計が現れる可能性があることを考えると、この技術は時間分解撮像光学系や深度感知光学系に幅広い影響を及ぼすと、我々は予想する。