Letter
微小共振器表面での対称性の破れによって生じる非線形光学
Nature Photonics 13, 1 doi: 10.1038/s41566-018-0297-y
二次非線形光学過程は、古典的な領域と量子的な領域の両方で多くの応用の中心にある。しかし、反転対称性は、集積フォトニクスで広く採用されている材料(例えばSiO2、Si、Si3N4)における二次非線形電気双極子応答を妨げる。今回我々は、サブミリワット連続波ポンプのもとで、超高Q値シリカ微小共振器表面での対称性の破れによって生じる非線形光学を報告する。二重共鳴位相整合を動的に調整することによって、0.049% W−1という前例のない変換効率で二次高調波が得られた。この変換効率は、増強されない場合と比べて14桁高い。さらに、ポンプ偏光の誘導制御と二次高調波モード分布の認識によって、表面に固有の対称性の破れによる非線形効果を明瞭に見いだすことができる。今回の研究は、シリカフォトニックデバイスの発光周波数範囲を拡大するだけでなく、超高感度表面分析における応用の基礎にもなる。