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サブヘルツ基本線幅のフォトニック集積ブリルアンレーザー

Nature Photonics 13, 1 doi: 10.1038/s41566-018-0313-2

スペクトル的に純粋なレーザーは、科学的・商業的な精密ハイエンド応用の要であり、研究室から集積回路へと飛躍を遂げようとしている。この性能を集積フォトニクスへ移行させることで、超高容量のファイバーネットワークやデータセンターネットワーク、原子時計、センシングなどへの応用にあたって、コストと実装面積が劇的に低減される。数多くの用途があるにもかかわらず、現行の集積レーザーには線幅が広いという弱点がある。ブリルアンレーザーは特異な特性を示し、興味深い解決策をもたらすが、その性能を集積プラットフォームに取り入れることはいまだ困難であった。今回我々は、非集積設計の長所をチップスケールに移行させる集積Si3N4導波路プラットフォームにおいて、サブヘルツ(約0.7 Hz)基本線幅のブリルアンレーザーを実証している。このシリコンファウンドリーに適合する設計によって、405 nmから2350 nmまで低損失が維持され、他の部品との集積化が可能になる。単一周波数や多周波数の出力動作によって、汎用的な低位相雑音の解決策がもたらされる。我々はこのことを、光ジャイロスコープや低位相雑音フォトニック発振器を実証することによって浮き彫りにしている。

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