Letter

光子の四極子トポロジカル相

Nature Photonics 13, 10 doi: 10.1038/s41566-019-0452-0

物質のトポロジカル相は、ベリー位相、すなわちエネルギー–運動量バンド構造に伴う幾何学的位相を使って特徴付けられる。ベリー位相の量子化と、それに伴う波動関数の分極は、量子ホール伝導率や無秩序性に敏感でない光子輸送などの非常にロバストな物理オブザーバブルとして現れる。最近、高次トポロジカル相と呼ばれる新種のトポロジカル相が、ベリー位相と量子化された分極の基本的な関係を、双極子モーメントから多極子モーメントへ一般化することによって提案された。今回我々は、シリコンフォトニクスを使って、量子化された四極子トポロジカル相の光子による実現を実証している。我々は、今回の二次元の二次トポロジカル相において、バルクの四極子モーメントの量子化がトポロジカルにロバストなゼロ次元コーナー状態として現れることを示す。我々は、このトポロジカル状態を、バルクの四極子モーメントがなくロバスト性が観測されない系のトポロジカルに自明なコーナー状態と対比した。今回の光子プラットフォームによって、高次のトポロジカル保護を伴うロバストなオンチップの古典光学デバイスや量子光学デバイスの開発が可能になるかもしれない。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度