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テラヘルツ対称性の破れによる光波駆動ギャップレス超伝導と禁制量子ビート

Nature Photonics 13, 10 doi: 10.1038/s41566-019-0470-y

光誘起超伝導電流は、量子工学用途の新たな物質相と集団モードの電磁気的設計への道を示している。しかし、そうした巨視的な非平衡量子状態を特徴付ける複雑な秩序パラメーターの制御された空間・時間変調は、まだ難しい。そうした超高速位相・振幅変調は、平衡対称性によって許される高調波モードを超えた高調波モードによって現れる可能性がある。今回我々は、非線形振動テラヘルツ光電流で実現されたサブサイクルの動的な対称性の破れによって、運動凝縮体状態を駆動している。反転対称性が破れたこれらの巨視的な非平衡量子状態は、非対称なマルチサイクルテラヘルツ光励起によるクーパー対加速によって制御される。観測された超伝導電流を運ぶ状態は、光波1周期の間に発展し、次の3つの際立った特徴を示す。平衡対称性によって禁止されるアンダーソン擬スピン歳差運動、対形成によって促進される強い高調波コヒーレント振動、最小の凝縮体クエンチを伴う長寿命ギャップレス超流動である。永続的な光電流の光波調節は、非従来型の超伝導体やトポロジカル物質の量子制御に拡張でき、量子ゲートやセンシング機能性に影響を及ぼす。

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