Letter

極めて低い過剰雑音と高感度のAlAs0.56Sb0.44アバランシェフォトダイオード

Nature Photonics 13, 10 doi: 10.1038/s41566-019-0477-4

高速かつ高感度のアバランシェフォトダイオード(APD)は、高速データ通信や光検出と測距(LIDAR)システムなどの応用に必要である。残念なことに、こうしたAPDの利得材料として使われるInPやInAlAsは、高電場での電子の衝突イオン化係数(α)と正孔の衝突イオン化係数(β)がよく似ていて、比較的高い過剰雑音が生じ、感度や利得帯域幅積が制限されている。本論文では、InPと格子整合したAlAs0.56Sb0.44における極めて低い過剰雑音を報告する。1550 nmのアバランシェ領域で0.005程度と推定される低いβ/α比は、理論的な最小値に近く、シリコンよりも著しく小さい。また、モデリングによって、25 Gb s−1と1550 nmにおいて1 × 10−12のビット誤り率で感度が−25.7 dBmの面入射型APDを実現できることが示唆された。今回の知見から、ネットワークの構築やセンシングに応用される新種の高性能受信機が得られる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度