Article

結晶カー微小共振器における1オクターブにわたって波長可変なパラメトリック発振

Nature Photonics 13, 10 doi: 10.1038/s41566-019-0485-4

パラメトリック非線形光学過程によって、新たな波長のコヒーレント電磁放射の生成が可能になる。波長を広く調節できる放射を生成する、パラメトリック非線形光学過程の能力は特に魅力的であり、分光法から量子情報処理にまでさまざまな応用がある。残念ながら、既存の波長可変なパラメトリック光源には欠点があり、その幅広い採用が妨げられている。今回我々は、フッ化マグネシウムで作られた超高Q値結晶微小共振器によって、こうした制約を克服でき、クリーンで波長を広く調整できる側波帯を生成できる、小型で電力効率の良いデバイスが可能になることを示す。我々は、分散プロファイルを注意深く設計したいくつかの異なる共振器を検討し、それぞれのデバイスで数百ナノメートルの側波帯波長可変性を実現している。我々は、1083 nmから2670 nmの光学オクターブにわたる離散波長可変性の直接観測に加えて、約4000 nmの中赤外側波帯のシグネチャーを記録している。今回実証したデバイスの単純さは、著しい波長可変性とあわせて、安価で波長可変範囲の広い電磁放射源への道を開く。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度