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熱活性化遅延蛍光に基づく安定な高効率単層有機発光ダイオード

Nature Photonics 13, 11 doi: 10.1038/s41566-019-0488-1

設計、最適化、製造の観点から、適切な半導体単層膜からなる有機発光ダイオードは非常に魅力的と思われる。今回我々は、適切な熱活性化遅延蛍光発光体単層膜に基づく安定な高効率有機発光ダイオードを実証する。オーミック電子・正孔コンタクトを用いることによって電荷注入効率が高くなり、ヘテロ接合が存在しないことから輝度1万 cd m−2において動作電圧が2.9 Vと極めて低くなった。また、電子輸送と正孔輸送のバランスがとれているため、500 cd m−2において最大外部量子効率が19%となり、発光帯域が広くなった。これによって動作安定性が大幅に向上し、初期輝度1000 cd m−2から動作させた場合、1880 hの輝度半減寿命が可能になった。従って、この単層コンセプトは、単純なアーキテクチャーにおいて高い電力効率と長い寿命を両立させ、複雑な多層デバイスと同等以上の性能をもたらす。

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