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調節可能な強い光–物質相互作用を示すグラフェン・フォトニック結晶ファイバー
Nature Photonics 13, 11 doi: 10.1038/s41566-019-0492-5
フォトニック結晶ファイバー(PCF)とさまざまな機能性材料を集積することによって、光ファイバーの応用領域が大幅に広がっている。グラフェン(Gr)の出現によって、PCFと組み合わせる際に新たな機会が生まれ、電気的調節性、広帯域光応答、全ファイバー集積化が可能になっている。しかし、これまでの実証は、概ねマイクロメートルサイズのサンプルに限られており、メートルスケールレベルの実用化の要求からは程遠かった。今回我々は、化学気相成長法を用いて作製した、最長0.5 mの長さの新しいハイブリッド材料Gr–PCFを実証している。このGr–PCFは、強い光–物質相互作用を示し、減衰係数が約8 dB cm−1である。さらに、Gr–PCFを用いた電気光学変調器は、約2 Vという低いゲート電圧において広帯域応答(1150~1600 nm)と大きな変調度(1550 nmで約20 dB cm−1)を示した。今回の結果によって、このGr–PCFを基に工業レベルでグラフェンが応用され、二次元材料–PCF用の魅力的なプラットフォームが提案される可能性がもたらされる。