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偏光マイクロ共振器から最適な単一光子源に向けて
Nature Photonics 13, 11 doi: 10.1038/s41566-019-0494-3
最適な単一光子源は、決定論的に光子を一度に1個だけ生み出し、光子源の効率と光子の識別不可能性の間にトレードオフがないことが望ましい。しかし、これまで報告された識別不可能な単一光子を生み出す固体光源はすべて、偏光フィルタリングに頼らなければならなかった。これによって効率が50%低下し、フォトニック量子技術のスケーリングが根本的に制限されていた。今回我々は、偏光選択的なパーセル・マイクロ共振器と決定論的に結合した量子ドットをコヒーレントに駆動することによって、この長年の課題を克服した。我々は、狭帯域の楕円マイクロピラーと広帯域の楕円ブラッグ格子という2つの例を提示する。偏光直交型励起–集光方式は、共鳴励起下で偏光フィルタリング損失を最小限にするよう設計されている。我々は、マイクロピラー(ブラッグ格子)デバイスで、偏光単一光子効率0.60 ± 0.02 (0.56 ± 0.02)、単一光子純度0.975 ± 0.005 (0.991 ± 0.003)、識別不可能性0.975 ± 0.006 (0.951 ± 0.005)を実証している。今回の研究結果から、1に近い識別不可能性と1に近いシステム効率を兼ね備えた真に最適な単一光子源を実現するための有望な解決策が得られる。