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高度にマルチモード化された非線形光学系の熱力学理論

Nature Photonics 13, 11 doi: 10.1038/s41566-019-0501-8

最近、非線形マルチモード光学系に再び関心が集まっている。非線形相互作用するモードが多数存在すると現れる純然たる複雑性から、今までにない光学効果を数多く観測できる新たな機会が得られるだけでなく、そうした効果の集団的ダイナミクスを解明する新しい理論的課題も生まれている。本論文では、そうしたフォトニック構成の非常に複雑なふるまいを普遍的な方法で説明できる、一貫性のある熱力学的枠組みを示す。これに関して我々は、新しい状態方程式を導き、「内部エネルギー」と光パワーの両方が熱力学の第二法則に従って常に流れることを示す。さらに我々は、等エントロピー過程を支配する法則を導き、カルノー型のサイクルを実現できる可能性を示す。今回の研究結果は、基本的な課題を明らかにしているだけでなく、新世代の高出力マルチモード光学構造への道を開くとともに、ボース・アインシュタイン凝縮体やオプトメカニクスなどの他の分野へ波及する可能性がある。

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