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量子閉じ込め臭化物ペロブスカイト・ナノ構造に基づく高効率青色発光ダイオード

Nature Photonics 13, 11 doi: 10.1038/s41566-019-0505-4

溶液プロセスで作製できる特異な結晶性半導体群である有機無機ハイブリッドペロブスカイトが現れたことで、ディスプレイや固体照明への応用に理想的な大面積かつ安価な色飽和発光ダイオード(LED)を実現する新たな機会がも生まれている。しかし、青色のペロブスカイトLED(PeLED)の性能は、近赤外、赤色、緑色のPeLEDに遠く及ばないため、PeLED技術の実用性が大きく制限されている。今回我々は、波長483 nm、色座標(0.094, 0.184)で発光し、輝度54 cd m−2において最高9.5%のピーク外部量子効率で動作する青色PeLEDを実証している。このデバイスは、初期輝度100 cd m−2から動作させたときの輝度半減寿命T50が250 sである。その高効率青色エレクトロルミネッセンスは、アンチソルベント(貧溶媒)プロセス法で作製した、バンドギャップがより広い擬二次元相内に埋め込まれた量子閉じ込めペロブスカイト・ナノ粒子の構造に起因する。今回の研究は、青色領域の高性能PeLEDへの道を開くものである。

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