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光子数重ね合わせ状態の非古典光の生成
Nature Photonics 13, 11 doi: 10.1038/s41566-019-0506-3
量子純粋状態の光の生成は、光量子技術の進歩に不可欠である。しかし、その光子数の制御はまだ困難である。光子0個と光子1個の光場は、個々の原子によって生成できるが、今のところ、非コヒーレントな混合状態か、1光子項が極めて小さいコヒーレントな重ね合わせ状態の生成に限定されている。今回我々は、人工原子のコヒーレント制御による、0個、1個、2個の光子の量子重ね合わせ状態のオンデマンド生成を報告する。系の原子分布を完全な反転分布まで駆動することで、真空と1光子の量子重ね合わせ状態が得られ、駆動レーザーの強度によってそれらの相対的な分布が制御される。2πパルスを使ってこの系をより強く駆動すると、1光子成分を2光子項が超える、真空、1光子、2光子のコヒーレント重ね合わせ状態が得られ、この状態によって位相超解像干渉法が可能になる。今回の結果は、光子数自由度を利用する光量子技術への新たな道を開く。