Letter
サブレーザーサイクルの時間スケールのトポロジカル高強度場物理
Nature Photonics 13, 12 doi: 10.1038/s41566-019-0516-1
高強度場に対するサブレーザーサイクルの時間スケールの電子応答は、アト秒光分光法の特徴である光トンネリングや高調波生成によって、原子、分子、固体のアト秒動的イメージングを可能にする。トポロジカル絶縁体は、カイラルエッジ電流に見られるように、電子ダイナミクスと密接な関係がある。しかし、トポロジーが光トンネリングやサブサイクル電子応答に痕跡を残すのかどうか、またどのように残すのかはよく分かっていない。今回我々は、伝導帯への電子注入時に生じる電流の方向性とタイミングに対する明確なバルクトポロジカル効果を特定している。我々は、同じバンド構造の場合、自明な絶縁体とトポロジカル絶縁体では電子のトンネリングが異なることを示し、この過程におけるベリー曲率の重要な役割を明らかにしている。こうした効果は、放出される高調波のトポロジカル依存性アト秒遅延とヘリシティーに対応付けられ、ヘリシティーに系の相図が記録される。アト秒科学の特異な特徴であるサブレーザーサイクル高強度場応答の遍在性を踏まえると、今回の知見は、トポロジカル系の研究における新たなロードマップの策定につながるものである。