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スピン角運動量と軌道角運動量の同時保存によるアト秒高調波ビームの偏光と渦チャージの制御
Nature Photonics 13, 2 doi: 10.1038/s41566-018-0304-3
光相互作用は、スピンと角運動量の両方の保存則によって支配され、両保存則は、光・物質相互作用を制御したり、電子ダイナミクスや複雑な系の構造を解明したりするツールになる。今回我々は、スピン角運動量と軌道角運動量の同時保存の一形態を明らかにし、この現象によって、極端紫外渦ビームの発散と偏光の先例のない制御が可能になることを理論的および実験的に示す。スピン角運動量と軌道角運動量を持つ高調波が生成され、角運動量保存の新たな領域が開かれた。この領域によって、アト秒パルスの直線偏光から円偏光への偏光操作が可能になるとともに、駆動レーザービームと同じトポロジカルチャージを持つ高調波渦を含め、必要に合わせた軌道角運動量を持つ円偏光渦の生成も可能になる。今回の研究は、意図的に設計されたスピン角運動量と軌道角運動量を持つ高調波ビームを使った、キラル系の超高速研究への道を開く。