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量子イメージスキャニング顕微鏡法による超分解能の向上
Nature Photonics 13, 2 doi: 10.1038/s41566-018-0324-z
量子光学の原理は、光学顕微鏡法における感度と分解能の古典的限界を超えるアイデアを数多く生みだしている。一部のアイデアはその原理を証明する実験に適用されているものの、生物試料の撮像は、測定される信号が本来的に弱く、光の量子状態が壊れやすいためまだ難しい。しかし、原理的には、これらの量子プロトコルは、古典情報を犠牲にすることなく新たな情報を付け加えることができるので、既存の超分解能技術の能力を向上できる。イメージスキャニング顕微鏡法は、超分解能法の一群に最近加わった方法であり、信号レベルを低下させずにロバストな分解能向上を行う。今回我々は、量子イメージスキャニング顕微鏡法を紹介する。つまり、イメージスキャニング顕微鏡法と光子の量子相関の測定を組み合わせることで、イメージスキャニング顕微鏡法の分解能を最大2倍、回折限界の4倍まで上げることが可能になる。我々は、量子イメージスキャニング顕微鏡法の原理を提示し、分解能を向上させるコントラスト機構として量子効果である光子アンチバンチングを使って、蛍光量子ドットで染色された生物試料の超分解能光学イメージを得た。