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非対称なサブ波長溝アレイを用いる単層MoS2におけるバレー励起子の分離

Nature Photonics 13, 3 doi: 10.1038/s41566-019-0348-z

単層遷移金属ダイカルコゲナイドにおける励起子は、ブリルアンゾーンの境界のK点とK′点において形成される。そうした励起子には、電荷やスピンに類似した代替情報担体として研究されているバレー自由度がある。遷移金属ダイカルコゲナイドにおける2つの反対のバレーは、ヘリシティーの異なる光を用いて光学的に扱うことができるる。今回我々は、単層MoS2と非対称なサブ波長溝アレイを結合させることによって、バレー分極した励起子を室温で選別して空間的に分離できることを実証している。実空間におけるバレー励起子の分離に加えて、バレー励起子からの発光も光子の運動量空間において分離される。すなわち、光子のヘリシティーによって優先発光方向が決まる。今回の結果は、メタ表面によってバレー輸送が促進され、バレートロニクスデバイスとフォトニクスデバイスのインターフェースが確立されるため、バレートロニクス分野における未解決課題への対処が可能になることを示している。

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