Article
高輝度と高効率を同時に実現する可視光量子ドット発光ダイオード
Nature Photonics 13, 3 doi: 10.1038/s41566-019-0364-z
量子ドット発光ダイオードは、ディスプレイへの応用に有望な光源である。しかし、これまで、高い輝度と高い外部量子効率が同時に得られるデバイスは報告されていない。今回我々は、CdSe/ZnSeコア/シェル構造に基づく、高い輝度と高い外部量子効率を兼ね備えた赤色・緑色・青色量子ドット発光ダイオードを報告する。我々は、最大外部量子効率が赤色で21.6%、緑色で22.9%、青色で8.05%、これに対応する輝度が赤色で13,300 cd m−2、緑色で52,500 cd m−2、青色で10,100 cd m−2のデバイスを実証している。また、デバイスのピーク輝度は、赤色で356,000 cd m−2、緑色で614,000 cd m−2、青色で62,600 cd m−2である。我々は、この高い性能が、コア/シェル領域全域にSeを使用したことと、コア/シェル界面に合金ブリッジ層が存在することに起因すると推論している。今回の研究結果は、将来、可視光量子ドット発光ダイオードが照明用途にも適するようになることを示唆している。