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積層コロイド量子ドットフォトダイオードを用いるデュアルバンド赤外撮像
Nature Photonics 13, 4 doi: 10.1038/s41566-019-0362-1
赤外マルチスペクトル撮像は多くの関心を集めており、同時スペクトル情報を区別できるスケーラブルな低価格の高感度デバイスの需要が増している。しかし、エピタキシャル半導体の価格が高いため、そうした検出器の普及はまだ限定されている。それに対して、コロイド量子ドット(CQD)は、溶液プロセスで作製できるとともに広くスペクトル調整できるため、さまざまな安価な高性能オプトエレクトロニクスデバイスをもたらしている。今回我々は、2つの異なるバンドにおいてスペクトル応答をバイアスでスイッチングできる二端子CQDデュアルバンド検出器を実証している。空間的に安定な強いドーピング処理を行うことによって、バック・ツー・バック・ダイオード構成で2つの整流接合を垂直に積層した。この検出器は、バイアスの極性と大きさを制御することによって、極低温、1010 jonesを超えるD*、最高100 kHzの変調周波数で、短波赤外と中波赤外の間で迅速にスイッチングできる。我々は、今回の検出器の性能を、デュアルバンド赤外撮像と遠隔温度モニタリングの例で説明している。