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反射セルフシーディングによる狭帯域X線自由電子レーザーの生成
Nature Photonics 13, 5 doi: 10.1038/s41566-019-0365-y
X線自由電子レーザー(XFEL)は、電子ビームによる自然放射がアンジュレーターの磁場に沿って増幅される自己増幅自然放射(SASE)に基づいて幅広く動作する。SASE-XFELは、強度が高いにもかかわらず、確率的な始動過程に起因してスペクトル幅が広い。帯域幅を狭くするため、セルフシーディングが提案され、最近実証されている。このセルフシーディングでは、前段のアンジュレーターで得られたSASE-XFELを透過配置の薄い結晶を使って単色化して生成したシードパルスを、後段のアンジュレーターで増幅している。今回我々は、ブラッグ反射を使ってシードパルスを生成する、効率の高いセルフシーディング方式を示す。この方式をSPring-8 Angstrom Compact free-electron LAser(SACLA)に適用し、SASE-XFELに比べてスペクトル輝度が6倍高くなったことに相当するフーリエ変換限界に近いXFELパルスを生成した。今回の成果は、現在のXFEL実験のスループットを向上させるだけでなく、X線科学の新しい機会を開くはずである。