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単一光子偏光キュービットのための効率の良い量子メモリー
Nature Photonics 13, 5 doi: 10.1038/s41566-019-0368-8
飛行する光子量子状態を保存し、読み出すための量子メモリーは、長距離量子通信と大規模量子計算を実現するのに重要なインターフェースである。高い保存・読み出し効率を実証する多数の実験的方法が、弱いコヒーレント光パルスで行われてきたが、これまでに達成された真の単一光子量子メモリーの効率は全て、現実的な応用に必要なしきい値50%よりずっと低かった。今回我々は、レーザー冷却されたルビジウム原子におけるバランスした2チャンネル電磁誘導透過に基づいて、効率が85%を超えるとともに忠実度が99%を超える、単一光子偏光キュービットのための量子メモリーの実証について報告する。単一チャンネル量子メモリーの場合、単一光子時間波形の保存と読み出しの最適化効率は90.6%と高くすることができる。この結果は、光子量子メモリーを量子情報処理における現実的な応用に近づける。