無中継秘密鍵容量を超える実験的量子鍵配送

量子通信は、情報を交換し、保護する方法に革命をもたらす見込みがある。古典的な通信と異なり、量子通信は、従来の光中継器では増幅できない弱い光パルスに基づいている。その結果、量子通信は伝搬路損失によって大きく損なわれ、その伝送速度と伝送距離は無中継秘密鍵容量と呼ばれる理論限界以下に制限される。位相コヒーレント光信号と補助測定局を使って量子情報を配送するスキームが最近提案されるまでは、現在の技術でこの限界を克服することは不可能だと考えられていた。今回我々は、90 dBを超える大きなチャンネル損失において、そうしたスキームを初めて実験的に実証している。高損失領域では、結果として得られた秘密鍵速度は無中継秘密鍵容量を超えた。これは、これまでに達成されたことがない結果である。今回の結果は、現在の世界の信頼できるリソースとして量子通信を推進するに当たって、大きな一歩である。