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高性能ペロブスカイト発光ダイオードのための合理的な分子のパッシベーション
Nature Photonics 13, 6 doi: 10.1038/s41566-019-0390-x
溶液プロセスで作製したペロブスカイト・オプトエレクトロニクスデバイス(例えば発光ダイオード)の効率を制限する主な要因は、トラップによる非輻射損失である。有機分子を用いる欠陥のパッシベーションは、この問題に対処する魅力的な方法と見なされている。しかし、この方法は、分子構造がパッシベーションの有効性にどのように影響するかに関する理解が不十分であったため、実行できなかった。今回我々は、これまでほとんど無視されてきた水素結合が、パッシベーションへの影響において重要な役割を果たすことを示す。我々は、パッシベーション作用を持つ官能基とペロブスカイトの特徴的な有機カチオンの水素結合を弱めることによって、欠陥部位との相互作用を著しく増大させ、非輻射再結合損失を最小限に抑えている。結果として、我々は、21.6%という記録的な外部量子効率を示す極めて高い性能の近赤外ペロブスカイト発光ダイオードを実現した。加えて、今回のパッシベーションを施したペロブスカイト発光ダイオードは、200 mA cm–2という高い電流密度において20.1%という高い外部量子効率と11.0%のウォールプラグ効率を維持する。このため、高励起では最高効率の有機発光ダイオードや量子ドット発光ダイオードよりも魅力的である。