Letter
光ピンセットフォノンレーザー
Nature Photonics 13, 6 doi: 10.1038/s41566-019-0395-5
フォノンレーザーは、どこにでもある光レーザーに類似した力学的なレーザーで、さまざまな状況で実現されてきた。しかし、浮揚したメゾスコピックな光機械系では実証されていない。こうした系は、量子力学や重力の基礎的検証を行う重要なプラットフォームとして、そして、力学的運動と電子のスピンや電荷を結合する検知方法を開発するために注目されている。今回我々は、光ピンセットに関するアーサー・アシュキンの先駆的研究に着想を得て、真空中の光ピンセットの中で浮揚する二酸化ケイ素ナノ粒子の重心振動に基づく、メゾスコピックで周波数調節可能なフォノンレーザーを報告する。今回のスキームは、これまでの浮揚したレーザーの実現とは異なり、単一の電子、液滴、小さな生物有機体にさえ使えるほど一般的である。従って、今回のデバイスは、精密計測学の課題と量子力学の基礎的問題の両方に応用できる、メゾスケールのコヒーレントなフォノン源への経路となる。