Letter

単層半導体におけるバレーオプトメカニクス

Nature Photonics 13, 6 doi: 10.1038/s41566-019-0428-0

ナノメカニクスとフォトニクスや電荷/スピンベースのエレクトロニクスをつなぐことによって、情報技術が一変し、量子–古典遷移の基礎的探究が促進された。最近、電子のバレー自由度を情報キャリアとして利用することによって計算や通信を発展させる有望なプラットフォームとして、バレートロニクスが浮上している。これまでのバレートロニクスの研究は、光電子工学的手段や磁気的手段に重点を置いていた。今回我々は、単層半導体MoS2でできた共振器においてバレー–機械結合を実現し、バレー情報を機械的状態に変換した。この結合は、バレーキャリアの磁気モーメントと磁場勾配を利用することによって実現された。我々は、バレーを光学的に励起し、結果として生じた機械的アクチュエーションをレーザー干渉法で観測した。このようにして、ポンプレーザー光、磁場勾配、温度を調節することによってバレー–機械相互作用が制御可能になった。今回の研究は、バレーによって駆動されるデバイスやハイブリッド・バレー量子システムの実現に向けて道を開くものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度