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省エネ型の信号変換と非線形機能を示すフェムトファラッド光電子集積

Nature Photonics 13, 7 doi: 10.1038/s41566-019-0397-3

成熟した電子回路へのフォトニクス技術の導入は、オンチップの情報ネットワーキング、さらにはコンピューティングを加速するために強く望まれている。これが非常に難しいのは、電子回路とフォトニクスのインターフェースでの光電子結合に必要な充電エネルギーが、インターフェースのキャパシタンスによって決まり、かなり大きいためである。光電子デバイスは大き過ぎて、集積キャパシタンスをフェムトファラッドスケールまで小さくできない。今回我々は、フォトニック結晶プラットフォームを使って、たった2 fFで光電子集積を初めて実証したことを示す。これによって、過去最低のアトジュールエネルギーの電気光学変調器(電気から光への変換器、つまりE–O変換器)と増幅器を必要としない受光器(光から電気への変換器、つまりO–E変換器)を実現でき、超低エネルギーの信号変換につながった。我々は、これらのE–O/O–Eデバイスを集積して、フェムトファラッドの「O–E–Oトランジスター」を実証する。その光信号利得は、エネルギー消費量がビット当たりフェムトジュールの全光スイッチ、波長変換器、カスケード可能な光中継器を含む、さまざまな光学非線形機能を示す。こうしたフェムトファラッドスケールのO–E/E–O/O–E–Oデバイスは、省エネ型の情報処理という新しい分野のための密結合のフォトニクス–エレクトロニクス集積に有望である。

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