Article
剛直な対称性酸素架橋ホウ素アクセプターに基づく青色の高効率熱活性化遅延蛍光発光体
Nature Photonics 13, 8 doi: 10.1038/s41566-019-0415-5
熱活性化遅延蛍光を示す材料は、高効率有機発光ダイオードの実現に有望である。しかし、適切な深青色の熱活性化遅延蛍光材料を見つけるのは、依然として難しい。今回我々は、剛直な対称性酸素架橋ホウ素アクセプター部を有する深青色の高効率熱活性化遅延蛍光発光体TDBA–AcとTDBA–DIについて報告する。これらの発光体はいずれも、高いフォトルミネッセンス量子収率と狭帯域青色発光を示すよう設計されている。トルエン中において、TDBA–AcとTDBA–DIは深青色で発光し、TDBA–Acが0.06 eV、TDBA–DIが0.11 eVという小さな一重項-三重項エネルギーギャップを示した。また、DBFPOホスト中にTDBA–Acを20wt%ドープした膜が93%、TDBA–DIを20wt%ドープした膜が99%という高いフォトルミネッセンス量子効率を示した。TDBA–DIデバイスを作製したところ、青色領域において外部量子効率が38.15 ± 0.42%と極めて高く、最高5000 cd m−2という高い輝度でのロールオフ特性は25.2%であった。TDBA–Acをドープしたデバイスは、21.50 ± 0.22%という高い外部量子効率と、深青色の色座標(0.15, 0.06)を示した。