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中空キャピラリーファイバーにおけるソリトンダイナミクスによる高エネルギーパルスの自己圧縮と紫外光の生成

Nature Photonics 13, 8 doi: 10.1038/s41566-019-0416-4

光ソリトンダイナミクスによって、伝搬光パルスの時間的形状やスペクトル形状が極端に変化する可能性がある。この現象は、ガラスコア光ファイバーでは最高でキロワットピークパワーで、ガス充填微細構造中空コアファイバーではギガワットレベルで起こる。今回我々は、ラージコア中空キャピラリーファイバーにおいて光ソリトンダイナミクスを実証する。これによって、ソリトン効果を数桁スケールアップして、マルチミリジュールエネルギーとテラワットピークパワーレベルにできる。我々は、2つの重要なソリトン効果を実験的に実証する。第一に、サブサイクルパルスまでの自己圧縮を観測し、サブフェムト秒光電場波形の生成を推定した。これは高パワーアト秒光パルスを生成する手段となる。第二に、分散波共鳴放出を通して真空紫外と深紫外(110 nm~400 nm)において連続調整可能な高エネルギー(1~16 μJ)パルスを効率的に生成した。今回の結果は、超高速・高強度場物理や先進的分光法向けの新世代テーブルトップ光源の基礎となる見込みがある。

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