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ワイル例外リングの実験的な実現
Nature Photonics 13, 9 doi: 10.1038/s41566-019-0453-z
ワイル点は逆空間中の孤立した縮退点で、縮退点はベリー曲率の単極子である。このトポロジカルチャージによって、ワイル点は、系のエルミート摂動に対して本質的にロバストになる。しかし、凝縮物質系では得られないことが多い非エルミート効果は、光子系の重要な特徴であり、他の点ではエルミートなワイル物質にこの効果を加えると、ワイル点のベリー荷が例外点のリング上へ広がり、ワイル例外リングが生成され、その特性が基本的に変化すると予測されている。今回我々は、エバネセント結合した2副格子光導波路アレイの実空間測定を使って、トポロジカル物質に分散したベリー荷を実験的に実現した系において、構成要素である2つの副格子のフェルミアーク表面状態とバルクの回折特性に対するその影響をプローブすることによって、ワイル例外リングの影響を観測している。