Letter
スクイーズド光注入による量子輻射圧雑音の広帯域の低減
Nature Photonics 14, 1 doi: 10.1038/s41566-019-0527-y
ハイゼンベルクの不確定性原理は、物体の位置を無限の精度で知ろうとしても、物体の運動量が完全に不確定になるので、それが不可能であることを示している。この運動量の不確定性は、その後の測定での位置の不確定性につながる。量子反作用と呼ばれるこの量子効果は、物体の位置を連続して測定する際に達成できる精度を制限する。可聴周波数帯域の干渉計型重力波検出器では、この量子反作用効果が量子輻射圧雑音(QRPN)として現れ、(まだそこまでには至っていないが)最終的には、検出器の感度を制限する。今回我々は、量子的に操作された光の状態を使って、10~50 kHzの領域で量子反作用が感度に大きく影響を及ぼす系における量子反作用を直接操作したことを報告する。我々は、量子反作用雑音が1.2 dB低減したことを観測した。今回の実験は、将来の干渉計型重力波検出器でQRPNの低減を実現し、その感度を向上するための重要な一歩である。