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グラフェンを載せた深サブ波長プラズモニック導波路を用いた超高速かつ高エネルギー効率の全光スイッチング
Nature Photonics 14, 1 doi: 10.1038/s41566-019-0547-7
全光スイッチは、電気スイッチの速度限界を克服できる可能性があるため注目を集めている。しかし、既存の物質の光学非線形性が本質的に小さいため、超高速かつ高エネルギー効率の全光スイッチの実現は困難であった。今回我々は、解決策として、グラフェンを載せた深サブ波長プラズモニック導波路(30 × 20 nm2)を用いることを提案する。極端な光閉じ込めの結果、グラフェンにおける非線形光吸収が大幅に増強され、スイッチングエネルギーが35 fJ、スイッチング時間が260 fsの超高速全光スイッチングが実現された。このスイッチングエネルギーは、これまでのグラフェンベースのデバイスと比べて4桁低く、数ピコ秒以下で動作する全光スイッチについて報告された中で最低値となっている。また、このデバイスは、従来のシリコン導波路と効率的に接続でき、シリコンフォトニック集積回路に用いることができる。我々は、今回のグラフェンベースのデバイスが、超高速かつ高エネルギー効率のオンチップフォトニック処理への道を開くと考えている。